「インブレッド」というスプラッタホラー映画を見ました。GEOで見かけてからかねがね気になっていたものです。全然見たくありませんでしたが、見たかったので借りて来ました。
予想通りひどい映画でした。でも、もう一度見てもいいです。ざっと説明します。
出るか?殺しのハイスコア!
狙え鮮血の金メダル!
ロンドン五輪に続き、
鬼畜村の殺人オリンピック、只今開幕!
ある週末—。人里離れたヨークシャーの田舎に、ボランティアの社会奉仕活動として連れ出された4人の少年犯罪者たち。学校に放火したティムと、ピッキング犯のゼブ、乱暴者のドワイト、そして無口な少女サム。保護観察官に引率された彼らが辿り着いたのは、なぜかカーナビには存在しない鄙びた村だった。かつては石炭鉱業で栄え、隔離施設があったと噂されるその場所は、今や邪悪な愉しみに浸る異常者たちが住む悪魔の巣窟に姿を変えていた。ふとした諍いから、村人に追われる身となった彼らは、次々に捕らえられて血塗られた惨劇の晴れ舞台に上げられる。肉切り包丁による生首早切り、顔面馬蹄スタンプ競技、胃袋の限界に挑む糞尿飲みガマン大会—。趣向を凝らした殺戮ゲームに熱狂喝采する村人たち。一度踏み込んだら二度と生きては出られない魔村で繰り広げられる、前代未聞の“殺人オリンピック”。この恐怖、次はあなたの身に振りかかるかも…。
と公式サイトにある通り、キチガイ村のキチガイたちが偶然やってきたよそ者をぶっ殺しまくるお話です。ストーリーについてこれ以上言うことはありません。
主な登場人物(ひどい目にあう方)は以下の六人です。
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ケイト(社会福祉士)
公式サイトにはこんな写真で載っていますが死にます。
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ジェフ(社会福祉士)
自分の理想を押し付けようとする嫌なやつ。一番最初に死にます。
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ティム(放火犯)
この写真TOKIOの松岡に似てる。死にます。
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ゼブ(なにか悪い事した人)
後述のドワイトとつるんでいる。死にます。
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ドワイト(なにか悪い事した人)
いけ好かないやつ。でもいい奴。クソを飲まされて死にます。
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サム(かわいい)
唯一の美人。最後に死にます。
この六人が殺されるまでの過程をざっと見て行きましょう。
まず、この村にたどり着いた六人はあるボロ屋に泊まることに。あまりに荒れているので全員で片付けをしましょう。ドワイトとゼブは文句や暴言(FuckやShitなど)を垂れながら作業です。なんとなくこの段階で二人は死ぬ気がしますね。あら不思議。
片付けが終わったので六人は近くのパブに繰り出します。入った途端に地元民からジロジロ見られ、マスターからも「よそ者を嫌う雰囲気があるけど、関わらなきゃ大丈夫だ」などと大嘘だろとすぐわかる言葉を頂戴します。
マスターです。明らかにヤバイ顔をしていますね。顎が割れています。
立てまくったフラグはさっさと回収されるもので、パブの外でタバコを吸っていたサムがある男に絡まれてしまいます。「都会の女か?」などと言いつつ髪の匂いを嗅いだりするのでさっさと死んで欲しいです。サムは店内に逃げ込み、変な男はマスターが追い払って事無きを得ました。不気味な雰囲気を残しつつ、六人はパブを後にし、夜が明けます。
変な男(左)です。結構絡んできます。
翌朝、うっとおしいジェフの提案で廃線になった電車の内部から銅やアルミなどを集めよう!という社会奉仕活動が始まります。これ犯罪じゃないのとか思ったりしますがどうなんでしょうか。社会奉仕活動なのでいいんですかね。
六人は二班(
ジェフ・
ドワイト・
ゼブ/
ケイト・
サム・
ティム)に別れ、資源回収にあたります。サムとティムは車両の中へ、ケイトは体調が悪いのか少し一人で休みます。
サムとティムは電車の窓から何かが燃えている煙を発見。その元へ行ってみるとなんと動物が燃やされているではありませんか!ティムは「動物を燃やすなんて!」と憤慨。彼の中の火をつけるガイドラインか何かに抵触したのでしょうか。二人は大騒ぎしながらケイトのところへ行こうとしますが、突然サムに絡んだあの男と数人が現れ、二人を羽交い絞めに。わめき叫んでいるとケイトが現れ、サムに再び絡んでいる変な男の後頭部をスコップでぶん殴ります。見てる限りあんまり痛そうじゃないです。ジェフ、ドワイト、ゼブの三人も騒ぎを聞きつけやってきて、ジェフが男たちを怒鳴りつけます。おお、かっこいいじゃんこのおっさん今までいいとこなかったのに・・・と思っていたら勝手にこけて金属片で脚をざっくり切ってしまいました。逃げゆく男たちを追いかけようとしたとはいえ、マジ役に立たねえなこいつ。
おっさんの唯一の見せ場です。
ジェフのキズは深く、ケイト曰く「救急車を呼ばなきゃしんじゃうわ!」とのこと。僕は死ねばいいじゃんと思っていましたが、パブのマスターが一晩でやってくれました。マスターは「どうれ、今楽にしてやるから・・・(救急車を呼んでも一時間はかかるしな!)」と五人の目の前でジェフの首を肉切り包丁で切り落としてしまいます。当然五人は阿鼻叫喚、血を浴びまくりながら無理矢理地下室に連行されます。この時マスターは「とにかく連中は生かしておけない・・・」とつぶやきますが、唐突すぎて意味がわかりません。五人はなんにもしてないだろ!
急遽囚われの身となった五人。泣き叫び、狂ったように鍵のかかったドアを叩き続けます。ドワイト、ゼブ、ティム、ケイトはキレまくり、サムはすんすん泣いています。さすがサムは他の4人とは違うよね。かわいいですよね。
そんなこんなしているとドアが開き、ゼブが連れだされます。マスターが言うには何やらショーが始まるらしく、会場には村人満員御礼大入り大入り感謝感激雨霰とのこと。連行されたかわいそうなお友達ゼブはステージの床に大の字に寝かされ金具で固定されます。
すると突然マスターが左のような格好で現れ前説を始めます。会場は大盛り上がり!これから始まることに興奮高ぶっている様子です。まあ、何が起こるかはあらかた予想がつくと思うのですが、一応言っておくとゼブくんの殺戮処刑ショーの始まりです!やったね!
さてさてステージに寝かされ固定されてしまったゼブくんはどんな風に殺されてしまうのかというと、ここでまたあの変な男が現れます。変な男はより変になりたかったのか、奇妙なバケツをかぶってキモい衣装で登場します。適当に会場を盛り上げてからゼブくんに馬乗りになっては鼻の穴にアスパラガス(多分)を、口の中に人参を無理矢理突っ込みます。すごく痛そうですが、なんだよコレで終わりかよーと思っていると突如謎の双子に連れられた猛々しい馬が現れます。お馬さんは野菜の気配に気づき、ゼブくんのまわりをくるくるぱかぱか歩きまわります。ああっ、踏まれちゃう!踏まれちゃう!お馬さんの蹄が肩に1hit!叫ぶゼブくん!お馬さんの蹄が額に1hit!くぅ~疲れましたwこれにてFatal K.Oです!ゼブくんは頭を馬にかち割られて死にました。せめて痛みを知らずに安らかに死ぬがよい。
方やそんなことも知らない地下室の4人はと言うと、サムがつけていたヘアピンで扉の鍵をあけることに成功、脱出を試みます。さすがサムですね。持ってるものが違う。
なんとか脱出した4人でしたが、最後尾だったドワイト(地下室のそばにいた見張りを撃退したりしていたため)が捕まってしまいます。ドワイトは「行け!俺のことは置いて行け!」と叫び、露骨に好感度を上げに来ます。うるっとしてしまいますね。結果、ドワイトは捕まり、ケイト、ティム、サムの三人はこの村に来る際に乗っていたバンが停まっているボロ屋まで走ります。この時三人をあの変な男が追っています。
さて、捕まったドワイトはどうなったのかというともちろんステージに上げられます。椅子に身体を固定され、口に汚い布を詰められています。先ほど捕まった時に結構殴られたので血まみれです。ドワイトは死ぬんだろうなあと思いつつ、「やめろ!ドワイトを殺すな!」という気持ちになります。
このショーではダーティマンだかミスターダーティだったか忘れましたが、また変な仮面をかぶった男が出てきます。この男はクソをしこたま詰めた散布機(水とか農薬とかを撒くアレね)を使って人を殺すようです。まず、ドワイトの口布を取ります。ドワイトはもちろん叫びますので、その叫んで開いた口に散布機のノズルを突っ込みます。トリガーを引いてドワイトの体内にクソを放出し続けます。顔が膨らみ、目が飛び出し、やがて腹が破裂してしまいます。ドワイト死亡です。現実的かどうかは知りません。ちなみにこのシーンむかつくのが、観客は安全のために3Dメガネをかけているところと、目玉が飛び出す時カートゥーンのようなポンッ!という音がなるところですね。ディズニーランドで言うミクロアドベンチャーのような感覚です。
ふざけた観客のみなさん。
さて、逃げた三人は見事バンまでたどり着き、道無き道を走っていきます。すると何故か追いかけていたはずの変な男がバンの前に現れショットガンをぶっ放してきます。ありますよね、地元民だったら車にさえ先回り可能な道を知っているとか、ありますよね。このへんな男はショットガンをぶっ放してはいますが、何故かバンの前にずっと仁王立ちしています。はいもう分かりましたね。その通り轢き殺されます。はい、変な男死亡です。何やってんの。
サーカス会場では次のショーに使うよそ者がいなくなったことを知ったマスターがキレています。キチガイ部隊を編成して三人の捜索に当たります。この場面ちょっと気になったんですが、所持している銃器がみんなショットガンなんですよね。一撃でぶっとばせるというのはやはりキチガイにとって魅力なのでしょうか。なんかわかる気がします。
突然、三人を捜索しているキチガイ部隊の前にバンが現れます。バンは部隊の方へ向かってきます。ここも意味不明なことに部隊はバンの正面からショットガンをぶっ放します。またご多分に漏れず数人轢き殺されます。ひき肉を製造して止まったバンには誰も乗っていませんでした!アクセルは枝で押されていただけだったのです!「なあに、罠は山のように仕掛けてある・・・逃げられはせんよ・・・」と強気なマスター改めピエロ。不敵な笑みを浮かべます。ほんとうの意味でのキチスマですね。
一方三人は茂みの中を歩いていました。ケイトはボロ屋に置いてきた地図と携帯電話(冒頭でジェフが携帯は預かると言って全員分を回収していた。マジ邪魔しかしねえなこいつ。)を取りに戻らなくちゃどのみち逃げられないわ、警察を呼ばなきゃならないし!と力説しますが僕は意味がわかりませんでした。バンを乗り捨てるほうがよっぽど危険だろアホかと思ったのです。そんなこんなで三人はボロ屋に戻ってきたのです。あえて危険なところに戻る、というのはホステルでも見ましたが、今回は全くハラハラ感がなかったですね。「ああー戻るんだー死ぬよー」ぐらいです。ホステルは「バカ!戻るなって!死ぬぞ!日本人なんか放っておけって!」という感じです。日本人()という話はしません。
ボロ屋に戻って来た三人は地図と携帯電話を探します。地図は見つかりましたが、携帯電話が見つかりません。ケイトは外を見てくるわと言って玄関の扉に近づくと左手をドア越しにショットガンで撃たれます。ボロ屋は早くもキチガイ部隊に包囲されていたのです。完全に万事休すですが、三人にも武器はありました。変な男を轢き殺した際、そのショットガンを奪っていたのです。心強い味方と言いたいところですが、敵は何丁も持っており、しかもこちらは弾が数発しかありません。事態が最悪なのには全く変わりがありませんでした。
三人はおとり作戦を考えます。怪我をしたケイトをドアのそばに座らせて敵が油断したところを反撃しようというものです。この作戦は功を奏し、敵の一人を結果的に殺すことに成功しました。キチガイ部隊はキチガイのくせに、敵が目の前にいるのにもかかわらず死んだ仲間の葬式を始めました。「鈍くさいとこもあったけど、いいやつだったよなあ」などとマスターがごちます。生意気ですね。これは明らかにチャンスなので、その隙にケイトは自ら外に飛び出し、「私はこっちよ!追って来なさいよ!」とサムとティムを逃がそうとします。ケイトは痛む左手をかばいつつ走り続けますが、キチガイ部隊は誰一人として追って来ません。それもそうです、この村は罠だらけなのですから。哀れケイトはトラバサミにかかり、脚をざっくり噛まれてしまいます。マスターは「トラバサミにかかってももうちょっと走るだろ」ということでチェーンソー男をケイトに差し向け、トラバサミに挟まれた脚を切り落とさせます。ケイトはのそのそ進みますが、結局マスターにショットガンで撃ち殺されます。ケイト死亡です。
チェーンソー男が若干ダンスらしきものを踊ったのはやはりあれでしょうか。
さて、ボロ屋に残された二人ですが(この二人この状況でキスとかしてますよ!キスとか!)、ティムは地下室にウォッカの山があることに気が付きます。ここに部隊を誘い出して焼き殺そうという算段です。まず、俺たちは抵抗しないということでショットガンをボロ屋の外に捨てます。キチガイたちは地下室の扉が開いていることで、「ははん、あいつらめ地下室に逃げたな」と全員で地下室へ向かいます(ちょっと変な気もしますね)。この隙にサムはボロ屋の外へ逃げ出します。行け!逃げるんだサム!
地下室に部隊全員を集めることに成功したティム、地下室の床じゅうにウォッカをぶちまけ、火炎瓶に火をつける寸前で奴らの前に現れます。自殺覚悟の道連れ作戦です。ティムは迷いなく火炎瓶にライターの火を近づけますが、何故か火はつきません。「酒に火がつかないなんて!」と大騒ぎしているとマスターが「それはみんな水で薄めたやつだからつかないんだよな」という衝撃の事実を伝えに来ます。ティムは「嘘だ!つけよ!燃えろよ!燃えろよ!」と騒ぎながら殺されます。ティム死亡です。
サムの行方ですが、なんとなくわかっているかもしれませんけれど、この村には罠がたくさん仕掛けてあります。マスターたちは走り去るサムを賭け事をしながら見つめます。「落とし穴は2倍、トラバサミは4倍、ワイヤーは8倍、地雷は当たりにくいから20倍だ・・・」。愛しのサムは運悪く地雷を踏んでしまいます。彼女の身体はのどかな村の空をバックに爆発四散しました。サムも死亡です。そしてこの映画も終わりです。
ひどい映画です。